川崎病で不全型の後遺症とは?

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ここでは、「川崎病で不全型の後遺症」についてお話します。

 

川崎病と診断する際、
参考にする6つの主要症状があります。

 

ところが、6つの症状が出揃わないけれども、
川崎病と考えられると
診断される場合があります。

 

これを、

 

「不全型川崎病」

 

と言います。

 

ここでは、不全型川崎病と
その後遺症について、紹介します。

 

川崎病の6つの主要症状と診断

 

「川崎病診断の手引き」には
以下の6つの主要症状が挙げられています。

 

1 5日以上続く発熱
(治療により5日未満で解熱した場合も含む)

 

2 目の充血

 

3 いちご舌、唇やのどの粘膜が赤くなる

 

4 不定形発疹

 

5 (急性期)手足が赤く腫れ上がる
  (回復期)手足の皮がむける

 

6 リンパ節が腫れあがる

 

このうち、
5つ以上の症状を伴うものを定型例、
4つの症状と冠動脈瘤をもつものを不定型例、

 

上記2例に当てはまらないが、
他の病気が除外されて川崎病として考えられる
ものを不全型と分類しています。

 

 

「第23回川崎病全国調査成績」によると、
割合としては、定型例が78.5%、
不定型例が1.9%、不全型が19.5%です。

 

不全型川崎病の割合は年々増加傾向にあり、
2歳未満、あるいは6歳以上の年長児で
不全型の割合が比較的高いデータが出ています。

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不全型川崎病の症状

 

例えば、4つの症状で冠動脈瘤がない場合、
3つの症状で冠動脈瘤を認める場合などが
不全型川崎病に該当します。

 

その他に、症状が揃わなくても
川崎病を疑う症状は以下の通りです。

 

・6ヶ月未満の乳児、

 

または8歳以上の年長児の不明熱
(症状が揃いにくく、不全型が多いとされています)

 

・抗生物質に反応しない発熱

 

・BCG接種後1年以内の乳児の接種部が
赤く腫れあがる

 

・年長児の首のリンパ節の腫れ

 

不全型の後遺症の頻度

 

不全型は、現れる症状が少ないですが、
決して軽症ではなく、

 

冠動脈瘤などの合併症を起こすことが
少なくありません。

 

ガンマグロブリン療法の不応例は少ないものの、
典型的な症状が揃わないために、

 

診断が遅れ、定型例に比べて
治療開始が遅れがちになります。

 

その間に冠動脈に病変が
起きてしまい、冠動脈瘤などの後遺症が
残る頻度が増すのです。

 

したがって、症状が出揃うのを待つのでなく、
少なくとも4つの主要症状が見られたら
川崎病を疑い、

 

定型例と同様のガンマグロブリン療法を
考える必要があります。

 

3つ以下の主要症状しか見られなくても、
それに準じた対処が望まれます。

 

診断を遅らせないためにも、
発熱の他の症状として、

 

全身が赤く腫れあがるなどが見られたら、
川崎病を疑い、積極的に医師に相談しましょう。

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