川崎病は自然治癒するの?

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ここでは、「川崎病は自然治癒するのか」についてお話します。

 

川崎病は、乳幼児がかかる、
全身の血管が炎症を起こす病気です。

 

何らかの刺激が体に入り、それをやっつけようと
免疫機能が働いて炎症が起きてしまうのです。

 

この川崎病の治療は、一般的に入院治療をします。

 

しかし、できれば幼いわが子を
入院させたくない、と考えるのが親心。

 

「自然治癒はできないか?」

 

と考えるのではないでしょうか。

 

そこで今回は、川崎病は
自然治癒で治るのか紹介します。

 

川崎病の不全型

 

川崎病には、「川崎病 症状 発疹」でも
お話したように、特徴的な6つの症状があります。

 

そして、6つのうち5つ以上当てはまる場合に、
「川崎病」と診断されるのです。

 

しかし、この川崎病には「不全型」という、
5つ以上当てはまらなくても診断されるケースがあるのです。

 

特に5日以上続く発熱は、他の症状が少なくても
「川崎病」と診断されることがあります。

 

もし3日以上続く場合には、
大きな病院で診察を受けるようにしましょう。

 

またこの場合、同じ川崎病でも
「軽症」と診断されることがあります。

 

高熱が薬の投与なしで自然に解熱することもあり、
臨床的には

 

「極めて軽症な不全型川崎病」

 

と診断されるのです。

 

しかし、自然に解熱したから
といって安心してはいけません。

 

解熱後に冠動脈の拡大が見つかることもあるのです。

 

臨床的に軽症な場合は、
一般的には合併症も少なくすむのですが、

 

川崎病の場合は見かけの重症さと血管病変の発症とが
必ずしも結びつくわけではないのです。

 

不全型川崎病の治療

 

「軽症」ととれる症状で、自然治癒が
できそうな川崎病の場合でも、

 

その見た目に惑わされずにきちんと
治療を行うことが大切になります。

 

「川崎病心臓血管後遺症の診断に関するガイドライン」

 

に、この不全型川崎病にたいする
説得的な記載があります。

 

これまでの研究成果をもとに、
不全型川崎病に対する現在の知識が
簡潔に整理されているのです。

 

内容としては、

 

・不全型川崎病の診断は数合わせではない。
乳児のBCG部の初赤や、年長児での多房製頚部リンパ節腫脹など、
特異度の高い症状が現われる。

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・不全型は決して軽症ではなく、
冠動脈の合併リスクも少なくない。
むしろ定型例よりもリスクが高い。

 

・典型的な症状が揃わず診断が困難だが、
その間に冠動脈病変が進んで後遺症の頻度が増す。

 

・他の川崎病疾患を除外することは必須だが、
不全型だからという理由で治療開始を遅らせるべきではない。

 

・4主要症状があれば、定型例と同様に治療を考慮すべき。
3主要症状以下であってもそれに準じた対処が望まれる。

 

・今後の手引き改訂やガイドラインの変更、
米国並みの容疑例を含めて全例投与も検討していく。

 

という内容となっています。

 

医師は、このガイドラインを応用し、
病態を理解したうえで対処していくのです。

 

冠動脈後遺症がない川崎病への外来でのフォロー

 

川崎病で、冠動脈の後遺症が残らなかった場合でも、

 

「運動制限なし・5年間の経過観察」

 

というのが推奨されています。

 

経過観察のための定期検査は、
発症の1ヶ月後、(6ヶ月後)、
1年後として発症から5年をめどに行われます。

 

以後は主治医と保護者との
協議で個々に対応されていきます。

 

また、予防接種も普通に打てるようになります。

 

発症後2ヶ月経てば、マシン・風疹・水痘・ムンプスワクチンの
4種類の生ワクチンを除く、ワクチンの接種は可能となります。

 

ヒブワクチンや4種混合、BCGなども接種可能です。

 

麻疹・風疹・水痘・ムンプスワクチンは、
最低9ヶ月以後に接種することが推奨されているので、
必ず医師に確認をしましょう。

 

このように、自然に熱が下がったとしても
自然治癒できたと安心してはいけません。

 

川崎病の恐ろしさは、冠動脈に後遺症が残る
可能性がある病気だということを忘れてはなりません。

 

もちろん、医師はそのことを良く理解して
診察や治療にあたっています。

 

もし3日以上高熱が続くようならば、
その後自然に解熱したとしても、

 

必ず大きい病院で診察・検査を
してもらうようにしましょうね。

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